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●大英博物館による「モダン伊万里」の再発見
イギリスの首都ロンドン、年間入場者650万人以上といわれる大英博物館で1997年5月から4ヶ月間、日本の陶芸家としては初めての個展「澤田痴陶人展」が開催されました。同時に、百年先をも見越して長期的な視野で収集するといわれる同館の収蔵品に加えられたことも近年の日本陶芸界にはないことです。痴陶人没後20年目の快挙でした。その大胆でエネルギッシュかつ個性的な絵柄は世界に向けて絶賛と感動を呼び起こし、世界中に多くのファンを獲得する第一歩が評されたのです。大英博物館が一人の芸術家の作品を集め公開するということは、非常に責任の重いことだ。英国人だけでなく世界に向かって「この作家を薦めます」と公言することになるからだ。という同館の言葉にもそのことが裏付けられています。
●大英博物館日本美術名誉部長ローレンス・スミス氏による総評
第一に、作陶のあらゆる面について痴陶人が確固たる技術をおさめていたこと、第二に、彼の作と陶も包摂される東アジアと東南アジアにおける複雑な装飾の伝統、第三に、陶芸家の中でも彼を独自の存在にしている独創的なエネルギーと斬新さである。痴陶人の痴陶人たるゆえんは、彼の傑作に見られる図柄の大胆さ、人間味あふれるユーモア、筆づかいにこめられた力、スケールの広がり、そしてありのままの個性、これらすべての結合つまり一体感である。ほとんど同時代人である痴陶人と棟方志功とは似ている。痴陶人はまさに「陶芸の棟方」とよぶにふさわしいのではないだろうか。
痴陶人と共に歩み、彼の薫陶を受けた喜多徳三郎をはじめ直系の弟子たちが、同じ土、同じ釉薬、同じろくろを使って、膨大なデザイン画から厳選して制作しています。天草陶土、唐津、信楽系土、そしてオリジナル陶土を使用し、圧力鋳込、機械ろくろに粗削りを施し、また一方手ろくろによる成形を駆使し、仕上げには木灰釉で下地に白化粧刷毛など、多様な技法を用いながら痴陶人独特の絵柄をデザインしています。

